お子さんのすこやかな成長のために(「家庭裁判所」パンフレット掲載)
両親が離婚や別居をするかもしれないという状況の中で、お子さんはどのような気持ちでいるのでしょうか?
両親の離婚や別居は、お子さんにとって大変なできごとです。そのような状況の中で、お子さんはいろいろな気持ちを抱いています。
自分の気持ちを言葉で説明できるお子さんもいれば、そうでないお子さんもいます。言葉にならない気持ちを大人はくみ取ってあげなくてはなりません。
親としてお子さんのためにどのような配慮をすべきでしょうか?
親として、お子さんのすこやかな成長のために、今後の子育てについて冷静に話し合うことが欠かせませんが、その前に、お子さんのために次 のような配慮をすることがとても大切です。
お子さんのことを第一に考えましょう
- ●お子さんの目の前で言い争いをしたり、もう一方の親の悪口を言ったりしないようにしましょう。
- ●暴力的な場面を見せることは、お子さんの心に大きな傷を残すことになるので、絶対にやめましょう。
お子さんが安心できるようにしましょう
- ●お子さんは、離婚や別居が自分のせいだと思ったり、自分はこれからどうなるのだろうかと不安に思ったりすることがあります。また、言葉にならない不安も、たくさん抱えているものです。
- ●落ち着いた状況で、離婚や別居がお子さんのせいではないこと、どちらも親であることに変わりはなく、今後も協力しあって成長を見守っていくこと、どちらもお子さんを大切に思っていることを伝えてあげましょう。
お子さんの気持ちを大切にしましょう
- ●幼いお子さんでも、自分なりの気持ちを持っています。それはお父さんの気持ちとも、お母さんの気持ちとも、同じとは限りません。
- ●お子さんがどんな気持ちでいるのか、冷静に考えてみましょう。
調停手続きでのお子さんへの配慮について
- ●調停は、夫婦関係について話し合う場であるとともに、お子さんの将来や幸せのために、親として何ができるか考える場でも有ります。したがって、親権者、面会交流、養育費など、お子さんに関する事柄についても話し合います。
- ●調停では、お子さんを争いに巻き込まないよう、冷静に話し合うことが大切です。
- ●調停では、お子さんの福祉に配慮した解決を目指します。そのために、調停委員会(裁判官と調停委員)がお父さんお母さんにお子さんの状況等をおうかがいすることがあります。また、必要に応じて、心理学などの行動科学の専門的知見を有する家庭裁判所調査官が、お子さんに直接会って気持ちを聴いたりすることもあります。
※平成24年4月に施行された改正民法では、離婚に当たって面会交流や養育費などについて定める場合は、子の利益を最も優先して考慮しなければならないと定められています(第766条)。
※平成25年1月施行の家事事件手続法では、調停や審判を行うに当たり、子の福祉(子の意思等)に配慮することが求められています(第65条ほか)。
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